ほとりオーナーの
「ほとり雑記帳」

原田マハさん「風神雷神」さんぽ

2024.06.13


原田マハさんの作品が好きです。

美術の知識に乏しく、たいした芸術的感性も持ち合わせてない私。

そんなアートおんちな私をいとも簡単に芸術絵画の世界に繋げてくれるのは、いつも原田マハさんの小説です。


ほとりのライブラリーに置いてあるのは、原田マハさんの著書のうち、京都と日本画を題材にした二作。

そのうちのひとつが「風神雷神 Juppiter, Aeolus」です。


国宝を含む、優れた作品が現存するにも関わらず、その人となりがわかる資料がほとんど残されていない俵屋宗達。

生没年も不明という、謎多き絵師です。

その宗達が、後に国宝となる風神雷神を書き上げるまでのストーリーが綴られています。

史実に残っていないからこそ、著者の奔放な想像力がどこまでも広がり、ワクワクする世界線に。

ありえないけど、絶対ないと言い切れない…そんな世界線。


お話に没頭した幸せな余韻にひたりながら、「宗達の絵を見に行く」ご近所散歩に出かけます。


まずは徒歩5分、建仁寺さんへ。

こちらでは国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製を見ることができます。

小説の中で繰り広げられる、宗達と彼を取り巻く人たちとのいくつものシーンを思い浮かべ。

現存する国宝の筆致を眺めながら、現実とフィクションを行ったりきたりする時間。


美しいお庭も(ついでに)堪能しつつ。

次へ向かうは自転車で数分、養源院さん。


鳥居元忠の血天井で有名なお寺ですが、こちらでは宗達の作品の現物が拝観できます。

数点の作品のうち、今回いちばんのお目当ては「白象図杉戸絵」。

小説の中では序盤に少年宗達が「ある大物」に命じられて即興で描いてみせる絵です。

もちろんフィクションだというのはわかっているのですが、実物を目のあたりにするとまた心はあちらの世界へふわふわと。


(撮影不可なので、ポストカードを購入してみました)

ああ、あのとき宗達がさらりと描いて運命を変えた絵がこれか…なんて。

小説には登場しない「波と麒麟図」や「唐獅子図」はどんな経緯で誰のために描かれたのだろうかと、妄想の羽を思い切り広げて楽しみました。


この季節、どこのお寺も青紅葉と苔が青々と生い茂っていて幸せです。

そろそろ良い時間。お腹がすいたので、あまから手帖で見かけて気になっていたお店へ。


小梟シャオシャオさん。


おしゃれ!


広東式焼味のお店だそうです。

選べるお肉3種、選びきれなかったのでオススメをお願いしました。

めちゃくちゃ美味しい上品な中華ランチ、満たされ感いっぱいのお散歩しめくくりとなりました。

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