hotoriを設計した建築家 岩見 真也氏による
施設案内をご覧ください。
https://unis-c.jp
この建物は昭和3年に新築され、元々お茶屋として使われていた建物です。
建設当時から比較的大きな地下(防空壕)がコンクリートで作られています。
構造に台湾桧の柱や、梁や小屋組もしっかりした材料が使われ、当時の仕事も綺麗にされていることが残る町家。
奥に奥にという平面的空間連続性、庭1Fから突き抜ける高木による断面的連続性があることや、アールを多用に採用しており、柔らかく個々の部屋空間たちが途切れることなく繋がるようなことを意識しました。
建物の形や構造はなるべく残し、建設当初の空間性を意識しながら、より個々の空間がしなやかに繋がるように計画しました。
寝室、水廻り以外のどの部屋からも角度を変え中庭が見えます。シンボルツリーは限られた庭にあう樹木探しに苦労しました。背が高く、枝ぶりが小さい高さ5mのヤマボウシです。
この部屋は既存のトコの意匠を活かして、伝統的に落ち着いた部屋にしようと思っており、既存の赤松の床柱を補修する予定でしたが、着工後雨漏れによる劣化が見つかり、同じく赤松の床柱を新設しました。 昔からあったかのように違和感なく納まっています。大工さんの施工技術を感じます。
建物1階の真中に浮かぶ白丸の空間にしました。フロアーレベルを45cm下げて、より庭に近い目線で一番外の空気感を感じることができる部屋です。 東側のキッチンから庭を見る時になるべく軽い要素の空間を挟むことで、庭から遠さを視覚的に低減できるように考えました。
無垢材の桧で作成したキッチンです。配置的に採光が少ない空間に明るく光ります。
洞穴の中にあるようなトイレにしました。トイレ前の背の高い手水鉢に柄杓で水をすくい手を流します。(現在感染症対策のため観賞用とさせていただいております)
黑や茶色要素の多い色彩で構成された玄関から続く部屋を通ってきて、この部屋は全体の色を白系で清潔感ある部屋にしました。道路を挟み桜の木を見ることができます。万華鏡柄の襖紙がアクセントです。
真鍮の下地窓を作りました。下地窓は伝統的には竹で作られますが、金属のパイプを使うことで、より繊細な意匠になるように意識しました。飾り棚の壁面は柿渋で染めた和紙を貼っています。
本を読むための部屋です。土壁は多めに鉄粉を入れており、経年変化により段々とサビが浮き出てきます。100年後はサビで真っ黑になることを想定しています。 小さな掘り炬燵があり、読書できます。本棚はロートアイアンで、作りました。鉄なので木製で作成するより材の厚みが華奢で繊細に感じます。
全体に伝統的な要素を感じますが、水廻りはスタイリッシュです。小さな裏庭を見ることができます。この窓の納まりは工夫しました。 外部に木製枠を付けることで、はめ殺し窓のように窓枠なく見ることができ、かつ可動して全開することもできます。
近年開発された水に強い左官材料でできています。