2023.02.17
今年も「京の冬の旅」、皆さますでにお出かけされたでしょうか。
通常時は見学できないお庭や建築、美術品などの文化財が期間限定で公開されていますが、今回いちばんの注目スポットは「大徳寺三玄院」ではないかと思います。
石田三成、森忠政、浅野幸長によって建立され、三成のお墓があることでも有名です。
普段はどどん!と「拝観謝絶」の看板が…
一般公開されるのは50年ぶりということで、今年を逃したら次はいつ拝観できるか…貴重です。
今回お墓参りもできるのかと期待していたのですが、残念ながらお墓の公開はなし。
近年出回っている石田三成の似顔絵、ここのお墓の遺骨を元に復元されたそうです。
実際に掘り起こされて調査されているというのがすごい。
秀吉に仕え続け、戦い続け、戦乱の世のど真ん中を駆け抜けた武将。
六条河原で無念の死を遂げたあと、禅を学んだ春屋宗園和尚の元へ…
死をもってようやく刀を手放し、心の安寧を得ることができたのでしょうか。
私のお気に入りの一冊、今村翔吾さんの「八本目の槍」
賤ケ岳の七本槍と呼ばれた七人の武将、彼らの目線で石田三成の人物像が語られる歴史小説です。
もう、石田三成を好きにならずにいられない。泣ける。何度も読み返したくなる名作です。
いつか大河ドラマ化されることを期待しております。
この中に三玄院は出てきませんが、「読んでから訪れると楽しい」には違いありません。
三玄院、あまりにも良き拝観だったので、書きたいことがたくさんです。
大徳寺の大伽藍を借景とした苔と枯山水の「昨雲庭」
古田織部設計、利休好みとは真逆の「明るい茶室・篁庵」(こちらは外観だけ)
どちらも引き込まれる美しさで素晴らしかったのですが、いちばん心を奪われたのは、「春夏秋冬」そして「龍虎」…原在中の襖絵です。
写真では見たことがあった有名な墨絵ですが、肉眼で見るとその繊細さは圧巻。
狩野派や応挙に師事したとか、してないとか。
あらゆる画の技術を盛り込みながら、この繊細で柔らかく、そしてダイナミックなこの襖絵を書いたのは御年71歳の頃だそうです。
丸山応挙、若冲、池大雅、そして原在中。
この頃の京都は天才絵師がひしめきあい、交流し、切磋琢磨しあい…すごい時代だったのですね。
写真撮影は一切禁止でしたので、京都観光公式サイトからのお写真をご紹介しておきます。
大徳寺三玄院、特別公開は3月13日(月)までです。
インフォメーション、ご予約はこちらから。
原在中の絵は明日から京都文化博物館でも展示されているそうです。
原派、ここに在りー京の典雅ー 2月18日(土)~4月9日(日)
こちらもお伺いするのが楽しみです。
I visited the temple, which is open for limited period only from January to March.
The small temple, called Sangenin, is not usually open to the public at all.
This is the first time in 50 years that the temple is open to the public.
The temple was built by a famous Japanese warlord, and offers a wonderful Zen garden and the exterior of a tea house.
The best part is the sliding door paintings by Hara Zaichu.
During the Edo period when he lived, there were many famous Japanese painters active in Kyoto, and he was one of them.
His ink paintings are very delicate, soft, and dynamic.
It is very rare to see these paintings in person.
Please take this opportunity to visit.
For more information about Sangenin and reservations, please contact our concierge.