ほとりオーナーの
「ほとり雑記帳」

読書さんぽ「スピノザの診察室」

2026.01.26


読んでから訪れると、もっと楽しい。

旅と本はいつもニコイチだと思っています。

夏川草介さん著 「スピノザの診察室」


2024年「本屋大賞」4位に選ばれた作品で、当時は京都のどこの書店でも平積みで紹介されていた記憶があります。

地域医療に携わる「マチ先生」が日々の診療、患者や家族との対話を通して、生老病死をどう受け止めていくか、医師としての思いや葛藤が描かれています。

とはいえ、重苦しい雰囲気ではなく、マチ先生のお人柄なのか、どこか牧歌的な安心感のある作風。

読み終えて、心がほわっと暖かくなる作品でした。

そしてこのお話、舞台が京都の真ん中のまちなか。

仏光寺、先斗町、三条大橋、白川…ほとり近辺のなじみ深い通り名や地名を舞台に、勤務先の病院や往診に自転車で出かけていくマチ先生。

この一冊、冒頭を読み始めた瞬間から、きっと誰もがマチ先生のお気に入り「長五郎餅」なるものを食べたくなるだろうと思います。

ということで、今日のお散歩は北野天満宮へ。

強烈に寒い1月後半。

昨日は初天神の骨董市で大賑わいだったことと思いますが、今日の北野天満宮は受験生や少しの観光客が参拝しているだけ、とても静かで閑散としています。

寒波が続く空の下、可愛らしい梅の花が綻びはじめてました。



あと2週間もすれば、北野天満宮の梅苑「花の庭」が公開になり、たくさんの人で賑わうことでしょう。


境内には25日の天神市の日だけオープンする、長五郎餅本舗の茶店があります。

天神さんの賑わいを感じながら、煎茶またはお抹茶付きの長五郎餅を、店内でいただけます。


今日は茶店の営業日ではないので、北野天満宮を後にして10分ほどの本店で長五郎餅を購入しました。

10円の、いちばん小さいお持ち帰り用の紙袋がとても可愛いのでおすすめ。

せっかくここまで来たので、ランチは近為さんで。


安政元年創業、京漬物の老舗です。

漬物店の奥にはお座敷があり、美しいお庭を愛でながらお茶漬け会席をいただけます。


こんなにたくさんの種類のお漬物を一度にいただく機会は、なかなかないのですが…

どれをいただいても「うーん、おいしい!」といちいち声に出したくなってしまいます。

先付け、白味噌の汁物、おじゃこ、千切り(大根)の炊いたん、銀鱈の西京漬け、そして彩り賑やかに大鉢に盛られたお漬物。

白いごはんを何杯でもおかわりしたくなってしまいました。

日本人でよかったなぁ、大人になってよかったなぁ、と思えるひととき。

お食事のあとはもちろん、店舗のほうでお土産のお漬物やお味噌を購入できます。


ほわほわ、やわやわの真っ白な長五郎餅を家でいただくのを楽しみに帰途へ。

冷たい風に寒い寒いと凍えながら、ふと思い出すのは小さなつぼみをポッポと開く天神さんの梅。

きっと春は遠くないのだろうなと、待ち遠しい気持ちになります。


「スピノザの診察室」、ほとりのライブラリーにも置かせていただいております。

冬の旅の寒い夜長に、暖かい館内でぜひゆっくりと読書の時間をお楽しみください。

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